経済が安定してくるとテーパリング(量的緩和の縮小)が行われます
テーパリングが行われると金利が上昇し経済はインフレとなります
インフレが起こると
- 一般企業の株価は下がる(金利が上がると銀行からお金が借りにくい)
- 銀行株の株価は上がる(金利が上がると企業に貸すだけ銀行は儲かる)
テーパリングやインフレは投資家にとっては相場が左右されるイベントです
中央銀行はインフレを表す指標を元にテーパリングを行いますが
どの様な指標で判断しているか知っていますか?
インフレを表すデータについてまとめてみました
インフレを表す指標/データ重要順に表記
- PCEインデックス/PCEデフレーター(米国個人消費支出価格指数)
- 米雇用統計
- 米国労働力(United States Labor Force Participation Rate)
- 消費者物価指数/CPI(Consumer Price Index)
- ミシガン大学消費者信頼感指数
(University of Michigan Consumer Sentiment Index)
インフレを確認するには上記の指標があり
この順番で重要なデータとなります
なぜこの順番で重要なのか?
それぞれの指標のについて解説をしていきます
CPI(消費者物価指数)
労働統計局が毎月発表する物価指数で物価の上昇と下落を判断できる
変化率=
(当月の価格ー基準日の価格)÷基準日の価格×100
- 基準日よりも価格が上がればCPI上昇
- 基準日よりも価格が下がればCPI下落
対象となるものは個人が消費する
- 財(食料、衣類、電化製品など)
- サービス(家賃、通信費、学費など)
財とサービスは毎年1月の基準値で設定し1年間固定される
基準価格が固定されるため実際の数値よりも高く出てしまう事がある
(例えば1月の商品価格よりも半年後の商品価格が落ちている場合)
PCEインデックス/PCEデフレーター(米国個人消費支出価格指数)
経済分析局が毎月発表する物価指数で物価の上昇と下落を判断できる
PCIと比べ
- 基準指数が基準値と比較時の平均
- 消費主体が個人だけでない(非営利組織も含まれる)
- 財・サービスが幅広い(個人だけでなく会社が負担額も含まれる等)
つまり
物やサービスの価格の変動に合わせて基準指数が異なり
より広い対象でのデータが集計される
アメリカ中央銀行(FRB)はPCEインデックスの方を重要視している
米雇用統計
米国労働省が毎月発表する米国雇用情勢を調べた経済指数
失業率、就業者数(非農業部門、建設業、製造業、小売業、金融機関)、就労時間、平均時給などが対象となる
失業率と非農業部門雇用者数が重要な指標となる
- コロナショックで急激に上昇した失業率は低下傾向
- まだコロナ前の水準まで戻っていない
- 雇用者も失業率と相関し上昇傾向
- 失業率と同様にまだコロナ前の水準に戻っていない
米国労働力(United States Labor Force Participation Rate)
雇用統計と失業率は仕事を求めている人からのみ計算されているが
労働力は労働に参加できる人全体を対象として計算されている
つまり
『働きたくない』と考えている人も対象
となる
(給付金をもらえる為働かない人も一定数存在する)
- コロナショック前よりも数値は低下
- この数値の回復もインフレ指数として重要
ミシガン大学消費者信頼感指数(University of Michigan Consumer Sentiment Index)
surveys of consumers UNIVERSITY OF MICHIGANより
ミシガン大学が500人を対象に消費者の心理を測定する
消費者の現状に対する評価を表す
- 数値が高いと楽観的
- 数値が低いと悲観的
対象が少ない為データのばらつきが見られる為あくまでもインフレ指数の一つとして確認程度
- 数値はコロナショック後から少しずつ上昇している
まとめ
インフレを判断する指標として重要なのは
- PCEインデックス/PCEデフレーター(米国個人消費支出価格指数)
- 米雇用統計の失業率
- 米雇用統計の非農業部門雇用者数
- 米国労働力(United States Labor Force Participation Rate)
FRBはどのタイミングでテーパリングを行うかまだ分かりませんが
それぞれの数値を確認しテーパリングに備える準備をしておきましょう!
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